QUEENSRYCHE / CHEMICAL YOUTH
       Written by Michael Wilton & Geoff Tate

クイーンズライクはデビュー当時、アイアン・メイデンらHMの影響が強いバンドという認識を持たれていた。しかし他のメンバーがHMの影響を強く受けていたのに反し、ジェフ・テイトはプログレッシヴ・ロックに惹かれていた。イエス、ジェネシス、クラフトワークなどを熱心に聞いていたジェフがバンドの方向性に大きな影響を与えた結果が「Rage For Order」である。今もなお、ジェフはこのアルバムが一番のお気に入りだと語る。

この曲の一節、「the wave of 80's is number 3」 の意味だが、これは未来学者アルヴィン・トフラーの唱えた「第三の波」から得たアイデアであるのは間違いない。トフラーが1980年に発表した著書「The Third Wave」よると、人類には過去に大きな革命が二度訪れたと言う。一般的に言われる農耕革命と産業革命である。そして80年代に第三の革命が起ころうとしている、と彼は書いた。

「第三の波の文明では、少数のマス・メディアによって文化を支配される状況が終わり、相互作用(インターラクティヴ)を持った非マス化/脱画一化メディアに依存することになりそうである。それは、きわめて多様で、しばしば非常に個人的なイメージを社会の精神の流れに注ぎ入れたり、汲み取ったりするに違いない。遠い未来を見通すと、テレビは『個人ビデオ』に道を譲ることになろう。つまり、現在の放送(ブロードキャスト)ではなくナロー・キャストであり、限られた放送が最終点まで運ばれ一個人に宛てて映像が送られるようになる。さらに薬品、頭脳から頭脳への直接コミュニケーション、その他これまで漠然としか考えられていなかった電子化学的コミュニケーション形式までが使われることになるかもしれない」

トフラーが語ったこの電子革命は今や我々の日常と形を変えていった。私自身も留学生だった当時、このトフラーの著書を読み深く影響を受けた。そしてクイーンズライクが発表した「Rage For Order」全体に示されているメッセージに同感を抱いたのである。彼らのライブは何度も見たが、この「Rage For Order」ツアーで見た時の印象が最も強く残っている。そしてジェフが言うようにこのアルバムを彼らの最高傑作と位置付けている。

トフラーが書いた「これまで漠然としか考えられていなかった電子化学的コミュニケーション形式までが使われる」という一節。これこそ Chemical Youth (化学の若者)というこの曲のインスピレーションとなったのであろう。トフラーにとっては今日のインターネット社会を予測するのは簡単なことだったはずだ。そしてそのアイデアに共感を抱いたクイーズンライクが、この曲を残したことも忘れてはいけない。

CHEMICAL YOUTH ( WE ARE REBELLION )

LEAD ME- the leftist cry as the right subsides
HEAR ME- the media mouth is open wide
SAVE ME- success is our hunger we need to feed
FREE ME- we will not lose to their anarchy
We are your leaders / We are rebellion / Aural supremists
We are rebellion / We are future

私を導いてくれ・・右翼が黙り込むと左翼が叫ぶ
聞いてくれ・・メディアの口が大きく開く
助けてくれ・・成功とは満たされるべき空腹
自由にさせてくれ・・やつらの無秩序に屈する事はない
我々はお前達のリーダー / 我々は反逆者 / 聴覚の最高指導者
我々は反逆者 / 我々は未来

SHOW ME- the wave of 80's is number 3
PRAISE ME- our religion is technology
CHANGE ME- alterations for the stigmatized
HELP ME - for the cause / Would you cross that line?
We are rebellion / Chemical youth scream / We are rebellion


見せてくれ・・80年代のウェーヴはNo.3
称えてくれ・・我々の宗教はテクノロジー
私を変えてくれ・・隔離された者の第二の選択
助けてくれ・・この大義のために / その一線を超えてくれるかい?
我々は反逆者 / 化学の若者は叫ぶ / 我々は反逆者なのさ


BACK