THE POLICE / SYNCHRONICITY I
               LYRICS & MUSIC by Sting


1983年、ポリース最後のアルバムとなったSYNCHRONICITYは、ポリースの集大成とも言える完成度を持って発表された。Synchronicity(シンクロニシティ)とは日本語で「共時性」という言葉に訳される。しかしスイスの心理学者カール・グスタフ・ユング(1875年〜1961年)が定義したシンクロニシティとは:
 ・同じ意味を持つ、因果的には無関係な複数の出来事の同時生起である
 ・創造的行為である
 ・非因果的な複数の事象の並行的生起(パラレリズム)である

たまたま偶然が重なったというだけではなく、そこには何らかの意識が働いているものとされる。例えば・・・

ある男が仕事一筋に生きてきて、地位も名誉も手に入れた。ある日、ふと孤独を感じ、これからは結婚して家族のために生きたいと誓った。しかしいざ結婚しようとしても気に入った相手はいない。そのうち学生アルバイトの家庭教師で教えていた少女のことが恋しくてたまらなくなった。しかしそれは遠い昔の出来事、もちろん連絡を取ろうと思えば何とかなるが、今さら迷惑をかけるような事はできない。

いつも仕事に行く時はラッシュアワーを避けてゆくのだが、なぜかその日は早く出勤してみたくなった。その電車の中でチカンに襲われたOLを救出する。OLがお礼を言うために男の住所と電話番号をメモに書き留めておく。たまたまそのメモが、オフィスの隣で働いている女性の目にとまった。かつて中学生の頃の家庭教師に密かに憧れていたその女性が、偶然見た名前はその家庭教師だった。二人は連絡を取り合い、やがて運命で結ばれていたのを知る・・・・。

このよう出来事がポジティヴ・シンクロニシティである。場所、時間、そして意識が一致してこのような事が起きる。小説でもあるまいし、そんな偶然はありえないと考える人もいるだろう。しかし世の中はこうした偶然の重なり合いが常に起きている。例えば交通事故に遭うのも、何らかの理由で不幸な偶然が重なって起きるネガティヴ・シンクロニシティなのだ。

:SYNCHRONICITY T

A connecting principle / Linked to the invisible
Almost imperceptible / Something inexpressible
Science insusceptible / Logic so inflexible
Causally connectible / Yet nothing is invincible

本質を結合させ、見えない事実に連結させる / 滅多には起こりえない
言葉では言い表せない / 科学では感知できない
柔軟な論理 / 一般的にありえても / 説明をつける事はできない

If we share this nightmare / Then we can dream
Spiritus mundi / If you act as you think
The missing link / Synchronicity

もし我々がこの悪夢を共有するなら / 精神の宇宙を夢見る事ができるだろう
もし君の思う通り行動するなら
ミッシング・リンク / それはシンクロニシティ

We know you, they know me / Extrasensory
Synchronicity / A star fall, a phone call
It joins all / Synchronicity

我々は君を知っている、彼らは私を知っている / 超感覚シンクロニシティ
星が流れ、電話が鳴る / それは全てシンクロニシティの中で起こっている


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