EMERSON LAKE & PALMER   
エマーソン、レイク・アンド・パーマー

ロバート・フリップはキング・クリムゾンを結成する際にグレッグ・レイクをバンドに誘った。それまでグレッグはギタリストだったのだが、ロバートに説得されベースを担当する事になる。傑作 IN THE THE COURT OF THE CRIMSON KING はビートルズに替わって全英チャートの1位にランクされ、キング・クリムゾンの名を世界にとどろかせる事になる。

しかし数年の内にグレッグはクリムゾンを去り、異色のトリオバンドを結成する事になる。それがEL&P(読み方はイーエルピー)だ。当時トリオバンドと言えばクリームを代表とするギター、ベース、ドラムという構成が当たり前だった。EL&Pはギター担当がいないかわりにキーボードが入っている。しかし実際にはグレッグはギターも弾いているのだ。STILL.....YOU TURN ME ON, CE LA VIE などのアコースティックな曲では生ギターを弾いているのは誰でも知っているが、エレクトリック・ギターも弾いている。特に BRAIN SALAD SURGERY ではかなりのリード・プレイがフィーチャーされている。

1960年代にムーグ博士が開発したシンセサイザー。その存在はキース・エマーソンによって知れ渡る事になる。LUCKY MAN も後半で聞くことの出来るシンセサイザー・ソロはムーグ博士をも驚かせたという。そして派手なコスチュームを身につけ、アクロバティックなプレイが好きだったキースにはキーボードのジミ・ヘンドリクスという異名がつく。さらにはそのヘンドリクスがEL&Pに加入し、HELPというバンドになる、という噂まで飛び出すのだが、これはワルノリしたメディアの策略だった。

またドラマーのカール・パーマーは空手の得意な日本通だ。ドラマーとして随分と手数は多いのだが、なにせりズムが走ってしまう。それも特徴の一つではあるのだが、リズムが走ってしまうというはドラマーとしてつらい。エイジアの頃はライブ演奏がかなり乱れる事もあった。やはりカールはEL&Pだから良いのだと思う。カールがエイジアで活動していた一時期、コージー・パウエルがEL&Pに参加したが、こちらもイマイチだった。いや、コージーは悪くはないのだが、この頃バンドはトラブル続きでうまくいかなかったと言う。

3人の個性豊かなミュージシャンが集まっってクラシックの影響を受けたロックを創造したEL&P。こんなバンドは2度と出現しないだろう。

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