THE ROLLING STONES ローリング・ストーンズ
バンドメンバーの死去という苦難はあったものの、40年近くも大きなブランク無しで活動を続けているというのは驚異的だ。ストーンズというとイカれたロックンローラーというイメージかもしれないが、実はミック・ジャガーという男はビジネスライクな人間である。彼がしっかりとしたビジネスマンだったからここまでやってこれたのだろう。
アメリカでは90年代以降、クラブで演奏するバンドで客が呼べるのはカヴァーバンドだけになってしまった。いわゆるトリビュートもの、ようするにモノマネである。いかに90年代以降、ロックが本来の輝きを失った過去の遺産になってしまったかを物語っているが、ビートルズはもちろん、KISSやAC/DCなど、人気バンドのカヴァー・バンドには人気が集まる。KISSのメンバーはこのような自分たちのカヴァー・バンドを応援しているし、メタリカに至ってはトリビュート・バンドを自分たちのコンサートの前座に起用しているほどだ。
ところがミック・ジャガーはトリビュート・バンドを良くは思っていない。自分たちの曲を演奏しているとして金を要求しているのだ。こんな事を言うのはミックぐらいなものだが、彼のこうしたちゃっかりした性格がバンドを永く存続させる事のできた要因なのだろう。
1990年、LAのコロシアムでストーンズを見た。四夜連続のライブだったが、そのうちの三晩見ることが出来た。前座にLIVING COLOUR、そしてGUNS'N'ROSESと面白い組み合わせだったが、やはりストーンズの素晴らしさに前座の演奏など吹き飛んでしまった。何十年も耳にしている音楽が次から次へと演奏される心地よさ。特にファンではない僕でも殆どの曲を一緒に歌える。十万人以上のオーディエンスの合掌は本当に心を揺さぶる。こんなバンドはやはり他にはありはしない。
Paint
It Black, Ruby Tuesday, Sympathy For The Devil, Miss You........この時の選曲は最高だった。そして一日だけだがエリック・クラプトンも飛び入りで演奏した。
あの時の感動は一生忘れられない。世界最高のロックンロールバンド。確かにその称号はストーンズのものだ。